100% GPLライセンスについて

WordPress のテーマやプラグインをダウンロードしたり、WordBench や WordCamp などのイベントに参加したりするとたびたび言及される 100% GPL という言葉があります。WordPress 以外では聞かない言葉だと思うのでざっくり要点だけ。

GPL ライセンス

オープンソースソフトウェアで採用されるライセンスのひとつです。使用許諾条件などと訳されたりします。ソフトウェアを使う上で守るべき約束事です

4/19追記:「利用許諾条件などと訳します。使用許諾条件と違い、ソフトウェアを利用(再頒布)する際の許諾条件です。」とのことです。

WordPress もこのライセンスを採用しています

GPL ライセンスの場合はユーザーに

  • どんな目的に対しても、プログラムを望むままに実行する自由 (第零の自由)。
  • プログラムがどのように動作しているか研究し、必要に応じて改造する自由 (第一の自由)。
  • 身近な人々を助けられるよう、コピーを再配布する自由 (第二の自由)。
  • プログラムを改良し、改良点を公開し、それによってコミュニティ全体が恩恵を受けられるようにする自由 (第三の自由)。

を許諾します。この自由を保障する為に、

  • 改変物・派生物にさらなる制限を設けてはいけない。

という規約があるんですね。つまりGPLライセンスが適用されたソフトウェアになります。

あくまでソフトウェアに関するモノであって、WordPress で書かれた記事のライセンスが自動的にGPLになるとかそういうことは無いです。

そのほか、無保証であること、著作権表示などのきまりごとはありますが、詳しい話は GNUオペレーティング・システムと自由ソフトウェア運動 を見るのが良いかと思います。

フリーソフトってわけでは無いんですね。係争事例とかもあったりするようです。

好き勝手に使えるわけでも無いんですが、オープンソースのライセンスというのはユーザーが自由に使えたり、改造したりすることを保障する為にこのようなルールがあるんですね。

自由を保障するためのルールということです。

100% GPL とは

100% GPL について | WordCamp Tokyo 2014

100% GPL ってなんだって話なんですが、要はテーマとかプラグインなどに含まれる全てのファイルをGPLに適合するようにしましょうという話です。

PHPファイル等は、WordPress が提供する関数を使ったりする場合、それは派生物と見なされるので、GPL ライセンスが適用されるのですが、CSS や JavaScript、画像やフォントなどは独立したものなので、GPLライセンスにしなければならないということはありません。( WordPressのデフォルトテーマを改造した場合、CSS などをコピペしたりするならばそれは当然GPLになります。)

Bootstrap などの CSS フレームワークをテーマに同梱する場合などを考えるとわかりやすいのではないでしょうか。WordPressとは独立したプロダクトですよね。MITライセンスなので同梱することに問題は無いわけですが。

なので、テーマやプラグインに含まれる CSSや JavaScript や画像等に対して、GPLより強い制限を設けることも可能なわけです。その場合自由に使えないじゃ無いかという話が出てしまうわけです。例えばテーマ同梱されている CSS 商用利用不可なライセンスならば、そのテーマを用いて会社のウェブサイトを作ったりできないわけです。

Snow Monkey の作者のキタジマさんの記事が詳しいです。非100%GPL有料テーマからの移行キャンペーンをおこないます! – Snow Monkey

そんなわけで、WordPress はコミュニティのルールとして、100% GPL を求めているわけです。WordPress.org に掲載されるプラグインテーマはこれに準拠する必要がありますし、WordBench 等の WordPress コミュニティ運営イベントでは、100% GPL に適合しない WordPress プラグインやテーマを配布または宣伝する人物をスピーカーにすることはできません。スポンサーなども出来ないです。

100% GPL Vetting Checklist – Make WordPress Communities

面倒くさいなと思われるかもしれないんですが、WordPress の管理画面の /wp-admin/freedoms.php に「自由について」と言うコンテンツがありまして。

WordPress はフリーかつオープンソースのソフトウェアで、世界中のボランティアの開発者たちの分散型コミュニティによってつくられています。WordPress はそのライセンス、つまり GPL のおかげですばらしい、世界観が変わるような権利を備えています。

こういった哲学に基づいて WordPress は作られてるので、わざわざ 100% GPL 等といった話があるわけです。

別に 100% GPL じゃなくても訴えられるということはありませんが、コミュニティとしては 100% GPL を採用している人やプロダクトを応援したいということです。

色んな考え方は有ると思いますし採用するもしないも自由だと思いますが、個人としては、WordPress にはお世話になっていますし、コミュニティ関わっていきたいので、大切なことだなと思う今日この頃です。

参考