CSSのメンテナンス性の悪さは広く知られて居るとは思いますが、その解決策として、SASSとかSCSSなどがあります。今回はその仲間のLESSの導入記録です。
公式サイト:LESS « The Dynamic Stylesheet language
LESSというのは、CSSのメタ言語で、コレをコンパイルすると、CSSが出力されます。
LESSを使うとこんなことが出来ます。
LESSを使うと出来ること
- ルールのネスト
- 変数
- Mixin
- 四則演算などちょっとした関数
また、普通のCSSの記法も使えますので、リセット用のCSS等そのままコピペも可能です。
ルールのネスト(階層化)
CSSのルールをネスト出来ます。いちいちセレクタをコピペしなくていいし、コードの視認性や、構造が非常にわかりやすくなります。親のセレクタを再利用するには、”&”を用います。
- less
- [css]
#header {
h1 {
font-size: 26px;
font-weight: bold;
}
p { font-size: 12px;
a { text-decoration: none;
&:hover { border-width: 1px }
}
}
}
[/css] - css
- [css]
#header h1 {
font-size: 26px;
font-weight: bold;
}
#header p {
font-size: 12px;
}
#header p a {
text-decoration: none;
}
#header p a:hover {
border-width: 1px;
}[/css]
変数
css内で変数が使えます。色などの一括管理などにはかなり便利です。
- less
- [css]
@color: #4D926F;#header {
color: @color;
}
h2 {
color: @color;
}
[/css] - css
- [css]
#header {
color: #4D926F;
}
h2 {
color: #4D926F;
}
[/css]
Mixin
Mixinっていうと難しく聞こえますが、他のプロパティ内で、読み込んで使えるプロパティのまとまりを作る事ができるということです。
[css]
.hoge(){
color: #FFF;
background-color: #000;
}
[/css]
でMixin用のプロパティを作成できます。このプロパティ自体はCSSに出力されません。また変数なども入れることも出来ます。
- less
- [css]
.rounded-corners (@radius: 5px) {
border-radius: @radius;
-webkit-border-radius: @radius;
-moz-border-radius: @radius;
}#header {
.rounded-corners;
}
#footer {
.rounded-corners(10px);
}
[/css] - css
- [css]
#header {
border-radius: 5px;
-webkit-border-radius: 5px;
-moz-border-radius: 5px;
}
#footer {
border-radius: 10px;
-webkit-border-radius: 10px;
-moz-border-radius: 10px;
}
[/css]
clearfixとかをMixinすると便利だったりします。
ちょっとした計算など
四則演算や、色を10%明るくするだとか、地味に便利な関数が用意されています。
- less
- [css]
@the-border: 1px;
@base-color: #111;
@red: #842210;#header {
color: @base-color * 3;
border-left: @the-border;
border-right: @the-border * 2;
}
#footer {
color: @base-color + #003300;
border-color: desaturate(@red, 10%);
}
[/css] - css
- [css]
#header {
color: #333;
border-left: 1px;
border-right: 2px;
}
#footer {
color: #114411;
border-color: #7d2717;
}
[/css]
他のLESSファイルのインポート
[css]
@import "reset.less";
@import "reset";
[/css]
とすることで、reset.lessが展開されます。lessファイルの場合、拡張子を省いても大丈夫です。
結構ざっくりとした説明ですので、詳細は:lesscss.orgの方を参照して下さい。英語ですがコードを眺めていればだいたいつかめると思います。
導入について
公式サイトでは、less.jsで、ブラウザでコンパイルをさせています。
[html]
<link rel="stylesheet/less" type="text/css" href="styles.less">
<script src="less.js" type="text/javascript"></script>
[/html]
こんな感じです。ソースのhead内にcssを展開します。
簡単にできますが、かなりブラウザに負荷がかかるので、おススメできません。制作中等限定で使用したほうが良いかと思います。
なので、Macの場合、公式アプリのless.appを活用しましょう。コレは、登録されたlessファイルが更新されたときに自動的にcssファイルを作成してくれるソフトです。特定のディレクトリ内lessファイルを検索もしてくれるので、開発用のディレクトリを指定しておくとかなり簡単です。自分の場合はコレをログイン時に起動するようにしています。
windowsの場合はmach3さんがlessniumというアプリケーションを作成していますので、それが便利だと思います。>>TitaniumデスクトップでLESS.jsのフロントエンドをこさえてみた
なお、Lessniumには、Titaniumが必須です。
また、Node.jsなどでも動作しますので、そちらは公式サイトを参照して下さい。
LESSを使うと、CSSの管理等が、非常に楽になりますし、効率良くCSSを書いていく事ができます。SASSとかSCSSとか多機能なものもありますが、LESSは学習コストが低いのとコンパイルの手間が少ないので、試してみてはどうでしょうか。